盗聴とは、設置者がその意思を持って機器を設置し、一般的な方法では聞くことのできない人の会話などを「盗み聞くこと」を言います。 単に受信機を使用して、飛び交う無数の電波を聞くだけなら、盗聴ではなく“傍受”となるため、犯罪にはなりませんが、何かしら悪用目的があれば、それは盗聴による犯罪につながっていきます。 自分の会話などから、犯罪に巻き込まれることを想像すると、やはり薄気味悪いですよね。 では、どういった手口で盗聴は行われているのでしょうか?
盗聴犯の手口と盗聴器を仕掛ける理由とは
盗聴犯の手口とは?
現在、盗聴器そのものをはじめ、盗聴器を作成するための材料なども専門店で簡単に手に入れることができます。購入することはとても容易です。
では仕掛けるにはどのような手口を使うのでしょうか。
一般的に盗聴器が仕掛けられていると聞くと、電話機やコンセントに仕掛けられていることを想像しがちです。
ですが、盗聴器は近年進化を遂げています。
短期間であれば十分電池の持続も可能で、わざわざ電話機や電源を確保する場所に仕掛ける必要がなくなりました。
さらに、かなり小型なタイプが多くなり、一例ではボールペンなどの文房具にカモフラージュされた盗聴器が販売されています。
こういった、身近にあるアイテムに偽装した盗聴器を使用するという手口は、かなり多い手口です。
プレゼントとして忍ばせていたり、ターゲットの部屋に上がり目立たないところへ仕掛けたり、元々あるアイテムに新たに仕掛けたりすることがあります。電気小物に盗聴機材を仕込めば、電源の確保も十分でかつ生活になじむアイテムです。
多少なりとも接点のある相手が盗聴の対象者である場合、あらゆる手段を使い、ターゲットの生活圏内に盗聴器を忍ばせることは不可能ではありません。
オフィスなどに盗聴器が仕掛けられる場合、電話やPC、会議室などの周辺に仕掛けられていることが多いようです。
複数人数が入り込む環境にある場所では、誰も使っていない見知らぬアイテムがないかなどを定期的に確認する必要があるでしょう。
・盗聴行為の目的とは?
盗聴をおこなう犯人の主な目的や理由としては、
- ストーキング目的
- 名誉毀損などの攻撃の目的
- 機密情報を流出させる目的
などがあげられるでしょう。
盗聴の被害にあってしまうことは、何も映画やテレビの中の話だけということではありません。
何の変哲もない親切や、ちょっとしたご近所トラブルなどからターゲットにされてしまう可能性は少なくないのです。
盗聴の目的と聞くと連想しやすいのは、好意を一方的に寄せたストーカーによるつきまといの一種としての盗聴行為でしょう。
しかし最近ではその好意以外にも、興味本位による監視という理由も多くなっています。
手軽に盗聴器を手に入れやすくなったことから、好意だけではなく、悪意や害意をもった人間が盗聴を行うことも少なくはありません。犯人に「すべてを把握している」ということを告げられたら、恐怖で身がすくんでしまうはずです。
また、産業スパイ行為は見過ごせません。
盗聴行為の主たる目的のなかには、会社の機密情報や重要な会議内容などを、ライバル社に横流しすることで利益を横取りする、という目的もあります。
会社内の情報を流出されてしまうことで、大きな痛手になってしまうこともあるでしょう。
こういった行為に及んでいる盗聴犯は、案外身近に存在していると言っても過言ではありません。
要するに、興味や執着心を一方的に持たれたり、盗聴してでも得たいと思わせる利益のある情報を持っていることが、盗聴という犯罪行為に至るケースを助長しています。
・盗聴被害に遭わないために。
このように、誰もが盗聴被害者になる可能性があります。
自身が盗聴の被害に遭わないよう、また犯人が盗聴をしやすい環境を作り出さないように、盗聴対策はぬかりなく行っていきましょう。
部屋や会社の中に怪しいものや場所がないか定期的に確かめたり、不用意に他人を自分の敷地内に入れないことはとても重要です。
また、何か身の回りに人を犯罪行為に至らせる理由・原因がないか、という側面から一考することも、盗聴被害の対策には有効な手段だと言えるでしょう。
会社の中などは、ケースによっては対策が難しい場合もあるため、もし被害に遭われているという方は、随時専門家を交えて対処していきましょう。