現在、日本でスマートフォンの普及率は8割を超え、世界的にもかなり高い数値となっています。
身近な携帯通信機器として普及しているこのスマホが、盗聴器として使われている可能性があることをご存知でしょうか。
盗聴器というと、固定電話やコンセントタップに仕掛けるというのが一般的によく知られ、通話内容や他人の会話内容を盗み聞くための物ですが、ここ最近の盗聴は通話や会話の盗聴だけではありません。
最近は、SNSなどの文章を使った通信やスマホのアプリを使った通信履歴が盗聴される危険があります。
LINEアカウント乗っ取り詐欺事件
社会的に問題となった、LINEアカウントの乗っ取り詐欺事件を覚えている人も多いと思います。
この事件は、他人のLINEアカウントを乗っ取り、乗っ取ったアカウントのひとになりきって、その友人や家族から金銭をだまし取るといった詐欺行為です。当時のLINEのセキュリティ体制も甘かったために、一時期横行しました。
このLINEアカウントの乗っ取り詐欺事件は、LINE以外の他のサービスで流出したIDやパスワードを利用する、リスト型攻撃という手法を使い、LINEアカウントへ不正アクセスしたと考えられています。
つまり、他人のLINEアカウントのIDとパスワードがわかれば、その人のトークや通話履歴などLINE上のデータを勝手に盗み見ること(盗聴)ができたというわけです。
LINEはかなり対策をとって、もうこういったことは難しくなっていますが、LINE以外のサービスではこういった盗聴や情報流出について対策がとれていないこともあるはずです。IDとパスワードの見直しをおすすめします。
監視アプリや位置情報通知アプリの危険性
監視アプリとは、その名の通りスマホを監視するためのアプリです。
大げさに聞こえますが、一番身近なのは、スマホを紛失した場合にスマホの現在地を調べたり、他人に自分のスマホを勝手に操作できないようにロックをかけるなどの機能があるアプリでしょう。これも監視アプリです。
仕事などで、会社の従業員が使うスマホへ一斉に業務メールを送信したり、従業員の就業態度を監視する事を目的としたり、個人同士で例えば浮気の抑制を目的に利用することもあるようです。
スマホに搭載されているGPSの機能などを用いて、位置情報で監視することもあれば、スマートフォンの使用画面をすべて見ることができるものもあります。この監視アプリは、他人にIDやパスワードが流出すると、通話記録、SMSの内容、プライベートな写真などスマホに保存されている色んなデータが他人に盗み見される危険があります。
実際に、監視アプリや位置情報通知アプリを盗聴器として使われた事例もあり、現在最も身近な盗聴方法であると言ってもいいのではないでしょうか。
盗聴器アプリから情報を守る方法
盗聴器として使われてしまう危険があるアプリを安全に使うために、または盗聴器として使われないようにするために気をつける方法をあげていきます。
1.IDとパスワードの管理を徹底する
SNSや他のネットサービスで、自分のIDやパスワードに繋がる情報を安易に漏らさないよう注意してください。
2.パスワードは定期的に変更する、パスワードを使いまわさない
パスワードは定期的に変更して新しいパスワードを使いましょう。また、一つのパスワードを複数のサービスで使いまわさないようにしましょう。
3.スマホをロックする
スマホの画面ロックを設定する。必要に応じて2段階認証を設定する。また、できれば顔認証や指紋認証などの生体認証が良いでしょう。
4.内部ストレージの確認と整理
盗聴器アプリに使われるアプリが自分のスマホにインストールされていないか内部ストレージを整理する。
5.バッテリーの消費量をチェック
スマホで盗聴器アプリが動作しているとバッテリーの消費量が極端に増えます。そのため、バッテリーの消費量を調べると、動作中のどのアプリが一番消費量が多いのかわかり、盗聴器となっているかもしれないアプリを特定することも可能でしょう。
6.自分以外の人にスマホを触らせない
家族や恋人など、親しい人であっても、基本的には触らせてはいけません。その人が犯人だというわけではなく、ご操作によってうっかり悪意のある不正なアプリ、盗聴アプリを入れてしまうことが考えられるからです。
7.メッセージに気をつける
心当たりのない内容や、不安をあおる内容、よく見ると日本語がおかしい内容、そんな怪しいメール・メッセージに記載されているURLにはアクセスしないようにしましょう。
ここでご紹介した盗聴器アプリやその盗聴器アプリから情報を守る方法はごく一部の物です。
アプリについても日々新しい物が登場しているため、それらに対応する方法をチェックしておく必要があります。