盗聴器の設置場所としてすぐに思い浮かぶのは、やはり室内だという方が多いでしょう。 しかし、室内ばかりに仕掛けていても、移動中や外出先での会話は盗聴できません。
したがって、設置者は盗聴対象者の自宅の中だけでなく、ありとあらゆる場所に盗聴器を設置しようとしている場合があります。
中でも特に設置されるケースが多いと言われているのが、車の中です。
日頃の移動で、電車などの公共交通機関ではなく自家用車を使用しているという方はしっかり注意することが必要です。
盗聴器には様々な種類があります。
一般的にみなさんが盗聴器として認知しているのは「アナログ式盗聴器」でしょう。
コンセントなどに仕掛けた盗聴器で、リアルタイムに音声を拾うことができるタイプのものです。
ですが、車内盗聴に使われるのは、基本的に「デジタル盗聴器」もしくは「ボイスレコーダー」のどちらかです。
アナログ式盗聴器は音声を拾うことができる距離が決まっているため、長距離移動する車の盗聴に使われることはほとんどありません。
デジタル盗聴器はデジタル波を利用したもので、スマホを改造したものなどが該当します。
ボイスレコーダーは録音式なのでリアルタイムに音声を聞くことはできませんが、後から回収して音声を盗み聞くのに利用されます。
最近は手軽さや費用の安さから、ボイスレコーダーを盗聴器代わりに使うケースが増えています。
・助手席などの座席下
・フロントガラス付近の小物
・ドアポケットの中
・ルームランプ付近
サンバイザーの中
ダッシュボードの中
灰皿・小物入れの中
車内の置物
車の中には、このように盗聴器の設置場所候補がたくさん存在します。
その中でも、車内での会話や音声が拾いやすく、発見されにくい場所が狙われがちです。
つまり、車の所有者があまり頻繁に触らない場所です。
たとえば、座席の下に盗聴器を仕掛ける場合は、ほとんど位置調節を行わない座席の方が設置しやすいでしょう。
座る人に合わせて頻繁に座席の位置を調節する所に盗聴器を設置すると、すぐに盗聴器の存在に気付かれてしまうからです。
ドアポケットやサンバイザー、ダッシュボードなども、普段はあまり使用していないという場合は、一度チェックしてみましょう。
とくに、ダッシュボードの中が散らかっている場合は、盗聴器を設置しても気付かれにくいので、要注意です。
また死角になりやすい場所として、ルームランプ付近も設置場所の候補になります。
日頃、夜間には運転しないという人は、特に注意が必要です。
その他、フロントガラス付近や後部座席にぬいぐるみなどを置いている場合は、その中に盗聴器が仕込まれている可能性もあります。
以上のように、車の中でも盗聴器を仕掛けることができるポイントはたくさんあるのです。
これらの盗聴器を発見する方法としては、やはり常日頃から先述のような設置候補となるポイントをチェックすることが大切になります。
まずは目視で盗聴器のような怪しいものがないか探してみましょう。
市販の盗聴器発見器を使うというのも手です。
車内に仕掛けられる盗聴器として、ボイスレコーダーが増えていることをお話しましたが、昨今はペンやカードに偽装したボイスレコーダーも増えています。
見慣れないものがあれば注意してください。
また、車内が散らかっていると、盗聴器を仕掛けられても気づきにくいので、こまめに車内の掃除をし、常に整理整頓された状態を保っておくことも大切です。
そうすることで、盗聴器を発見しやすくなるだけでなく、盗聴器を仕掛けられにくくする事もできます。
それでも不安だという方は、やはり一度専門家(盗聴器発見業者)へ調査を依頼すべきでしょう。
調査の内容にもよりますが、数万円程度で調査してくれる業者もありますので、一旦相談だけでもしてみるというのも、安心につながるでしょう。
また、近年は盗聴器だけでなく、GPS発信機を取り付け、会話の音声だけでなく位置情報までも手に入れようとするケースが増えています。
こういったケースの場合、やはり素人には対策が難しくなってしまいますので、何かしらの不安を抱えている場合、 しかるべきところへ調査を依頼するという方法がベストと言えるでしょう。